三.声母 その一
三.声母 その一
中国語には21種の声母があります。ここでは、その前半11種の声母を練習します。
- 唇 音 b(o) p(o) m(o) f(o)
唇音に属する子音は、唇が発音に関わります。
b,p,m は両唇音と呼ばれ、下唇と上唇の両方の唇を閉じることによって気流を閉じ込めた後に破裂させます。
mは鼻音と呼ばれ軟口蓋が下がって鼻腔にも気流が流れ込みます。
fは唇歯音と呼ばれ、下唇を上歯に近付けることによって発音されます。上の歯で下唇を噛む必要はありません。
歯と唇の間にごく細いすき間ができることによって、気流が乱れ、乱流性の噪音が出るのです。
- 舌尖音 d(e) t(e) n(e) l(e)
舌尖音は舌の先を上の歯茎に押しつけて発音して下さい。
t,d,nは日本語では、舌先がむしろ下がり気味になったり、上の歯茎まで届かない場合が多いので、注意して下さい。
lは日本語にはない音声ですが、英語などでおなじみでしょう。日本語のラ行音は、舌先(端)が一瞬軽く上歯茎に触れるぐらいの弾き音と呼ばれる子音で発音されることが多いのですが、lの場合はしっかりと舌先を上の歯茎に押しつけて下さい。
- 舌根音 g(e) k(e) h(e)
舌根音は奥舌(後舌)を上アゴの奥の部分である軟口蓋に持ち上げて発音します。
g, kは奥舌を軟口蓋に一度付けて、気流をいったん遮断します。
hの場合は、細めのすき間があいていて、乱流性の噪音が生じます。
ビデオを見ながら、音をよく聞き、まねしてみましょう。特に注意すべき点は、無気音と有気音と呼ばれる対立です。日本語のいわゆる有声音(bo, doなど)と無声音(po,toなど)の区別とは異なるので、注意が必要です。子音そのものは同じで、母音との"つながり方"が異なるのです。
- bo 無気音
- po 有気音